室城神社の春祭(矢形餅神事)

室城神社
室城神社本殿

久御山町内には宗教法人の神社が9社あり、その内8社の宮司としてご奉仕させて頂いております。

玉田神社が本務社で7社が兼務社となりますが、玉田神社以外の神社の祭祀も紹介していきたいと思います。

24節気の啓蟄の今日(3月6日)は、久御山町下津屋に鎮座する「室城神社(むろきじんじゃ)」の春祭を午前11時より斎行いたしました。矢形餅神事として知られている春祭は、聖武天皇の御代に国内に疫病が流行し、その疫病を鎮めるため天皇が木津川を下り大山崎の宝積寺にお参りをされた時、その途中、室城神社に弓矢を奉納し、疫病退散を御祈願されたことを縁起としています。

室城神社

神事は、氏子の中の3軒の当家が準備する神饌を舟と呼ばれる入れ物に納め、当家から神社まで参進することで始まります。

神社では祓所で舟(神饌)と参列者のお祓いをし、本殿に進み神事が行われます。

当家の用意する神饌は、弓矢を象った弓餅と矢形餅、目黒魚(鯖)、大根と人参のなますです。

神事が終わると氏子と参列者に矢形餅が配られ、矢形餅を食べると息災の御利益があるといわれています。

室城神社
矢形餅

写真左が「矢形餅」で、矢尻を模しています。

右側が「弓餅」で、鏡餅の中心に塩ゆでした小豆を載せ、半分に切った餅を少しずらします。小豆の載っていない白く残った部分が弓が弧を描いているように見えます。